こんにちは。ぎゅうです。
今回は北野唯我さんから書かれた戦国ベンチャーズについて書いていきます。
この本はどういった内容かというと昨今ビジネス書でもGAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)のビジネス戦略や経営の仕方、マネジメントなど数多く出てます。
とはいえ、GAFAMの歴史といっても100年も当然ありません。
僕たちがこれから働く上で、また経営をしていく上で本当にGAFAMからだけ学び続けるでいいのかという疑問から北野唯我さんが歴史から学べばいいのではということで書かれたのが本書です。
孫子の兵法など数々の歴史上の人物、とくに中国、日本の戦国時代に注目をして三国志の英雄、曹操や戦国時代の織田信長、豊臣秀吉、徳川家康などの歴代の武将が行なっていた戦略から、人材戦略や経営戦略を学ぼうというのが本書の意図です。
ちなみに著者の北野唯我さんは歴史はそこまで好きではないようです。(余談ですね)
では早速いきましょう。
年功序列、終身雇用で成功した例は歴史上ない
日本は多くの会社が終身雇用で年功序列です。
では、歴史上そういった会社が多かったのか、そして組織としても年功序列が成功法則としての絶対的なものだったかと言うとそうではないことを歴史が証明してます。
そこで本書では三国志で有名な豪傑曹操と江戸幕府を開いた徳川家康を例に二人がどういった戦略を用いていたかを解説してます。
人柄でなく才能のみを評価する唯才是挙
曹操の根本思想として唯才是挙と呼ばれるものがあります。
これは何かというと才能を強みによってのみ評価すると言うことです。
要するに人柄や家系、経歴、素行にこだわらずに才能のみで人材登用をする、評価をすると言うもの。
そう聞くと才能あっても素行が悪い人も登用するのかと思うかもしれませんが、その通りなんです。
これこそが正に真の実力主義であり、三国志の当時も年功序列が主流だったようですが、真っ向から否定し三国をおさめたのです
そして歴史を紐解くと優れた武将で、年功序列型の人事システムをとった人は誰もいないとも言われてます。
そして曹操は「人集め」を徹底して行なっていたのはもちろんのこと、適材適所で活用するための部下の能力の正確な把握までも得意としていたようです。
まさにカリスマ経営者だったと言うことですね。
ちなみに三国志だと有名なのは劉備だと思います。
そして劉備と言えば三顧の礼で迎え入れた諸葛亮も有名ですよね。
この二人も人事の才能があったのですが、後進を育てる能力が曹操よりも劣っていたと言われてます。
それが歴史の結果にも関係しているようですね。
徳川家康も曹操と同じように適材適所重視の考えだった
徳川家康も曹操と同じように人材登用に力を入れていたと言われてます、
徳川家康は自身の人材登用術を孟子の言葉を用いて「賢を尊び、能を使う」と表現しています。
賢=人格者で忠義に厚い人間
能=卓越した才能を持つ人間
つまり徳川家康も賢と能の「強み」に焦点をあてて人材登用をしているのです。
そしてもう一つ興味ある点があります。
それは一代でのし上がった人は人材登用を活用して「強みの経営」を使っていたと言うことです。
経営、人材登用する上で壊すことも必要
僕が本書を読んでいて興味深かったのはガンの話です。
人間は細胞が合わさってできているのですが、細胞が増え続けても体に良くないのです。
そして定期的に細胞が増えることと壊れることも起きるから僕たちの体は成り立っているようです。
でもガンは違うのです。
ガンがなぜ悪いのかというとガン細胞は増え続けるからと言うことです。
増え続ける結果体を壊してしまうのです。
それは経営、組織にも置き換えて考えることができます。
組織でもガン細胞のように同じ考えの人だけが増え続けても会社が大きくなるかというとそうではありません。
同じ考えの人だけでは、過去の成功法則に固執してしまう可能性が高くなり、世の中の変化に対応できずに衰退してしまうことはよくある話です。
だからこそ組織も小さくても壊す時が必要だと言うことです。
この例で伊勢神宮の話が出るのですが、伊勢神宮は20年ごとにお宮を立て直してます。
そうすることで職人の育成にも繋がり、技術の継承にもなっているようです。
僕自身もあえて壊すと言う考えは共感していて、同じやり方だけでは上手くいかないからこそ、今のやり方を疑うようにしてます。
そして壊せるものは物事に影響がない程度に壊すようにしてます。
終わりに
この本は歴史とビジネスを上手にリンクさせてくれているのですごくわかりやすかったです。
そして歴史に興味がない人でも面白く読むことができる本です。
Kindle Unlimitedに入ってる方は無料で読めますので、機会ある方は是非読んでみてください。
そんな感じでいきましょう。
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