こんにちは。ぎゅうです。
終身雇用が崩壊したと言われ、一般的に副業が解禁され、働き方改革で一昔前のように残業時間で給料を稼ぐのが難しくなりました。
さらに追い討ちをかけるように新型コロナウイルスによって僕たちの生活はより不安定になりました。
そんな中で、今回はリンクドインの日本代表、村上臣さんが書かれた本。
転職2.0についての書評を書いていきます。
今までも転職やキャリアを考えることに関連した書籍を紹介しましたが、今回の本はタイトルがシンプルです。
ちなみに転職2.0というのは何かというと、今まで転職はしても1回だったのが今後は2回以上していく時代になるということから転職1.0から2.0に変わるという意味です。
それでは早速いきましょう。
望み通りのキャリアを手にする
我慢しない働き方が手に入る時代
新卒で入社をしても、転職をして入社しても最初は希望していた会社に入れて気持ちが高揚します。
でもそれも長く続かず「こんなはずじゃなかった」と思うことはあるはずです。
そしてそのモヤモヤの中で仕事を続けていく中で心が荒んでいく、楽しくないなと思いながら毎日満員電車に揺られ1日をこなすことに終始してしまう。
村上さんもある若者から上記のような相談をもらったことがあるそうです。
ただ、村上さんにはこれが悩みの相談というより現状に納得するための同意を求めてるように見えたそう。
それであれば「希望した会社に転職できたなら欲張っちゃいけない。今の環境でもう少し頑張ってそれから考えるのがいいよ」とその若者に同意するアドバイスをすれば、彼も素直に受け止めますが、村上さん自身の考えと違うのでこう伝えたようです。
本当にやりたいことを実現するべき、自分が目指す理想像を明らかにして、やりがいとか年収、自分の求める全てを満たす次の転職に向けて行動すべき。
実は僕たちは誰もが我慢しない働き方が手に入る時代が到来していることを知らないだけなのです。
辛いことも仕事のうち、これも経験だという考えは昔の話です。
実際に多くの会社が働き方改革と題して、社員個人の働きやすさを重視する方向へ舵を切ってます。
ダイバーシティへの取り組みや女性の管理職登用などがそれにあたります。
僕もそうですが、日本の常識にとらわれ引きずってしまってるがゆえの思い込みで、今は自分次第で我慢せずに働ける環境は整ってきてます。
そのためにも転職のOSをアップデートしようと村上さんは言ってます。
村上さんが以前ヤフーで働いていた時に当時の上司であり代表取締役社長だった宮坂学さんから「株式会社俺」の意識を持つことと教わったそうです。
「株式会社俺」というのは自分にとっての幸せが最大限になるように、自分自身の経営者になるということです。
自分という会社に「会社事業部」「家族事業部」「アウトドア事業部」といった事業の柱を持ち「株式会社俺」の時価総額は幸せの総量で表していたようです。
ワークライフバランスなのかライフワークバランスなのかなど昨今語られることもありますが、ある意味自分を中心に考えて、でも周りとのバランスを考えて幸せになることを考える。
この考え方は僕もなんとなく頭の中で考えていたことが言語化されてスッキリしました。
今は個人の働き方は自分主体へと変わりつつあります。
会社からの指示のみに受け身でこなす働き方から「どうすれば自分が幸せになれるか」を能動的に考える。
今までの考え方、転職1.0という一つのゴールを目指すのでなく、株式会社俺の時価総額をどうやって増やすかを考え行動する手段としての転職。
これこそが転職2.0と村上さんは位置付けてます。
転職は目的でなく手段
一つの会社にいると自分の市場価値がわからなくなります。
それもそのはずで、一つの会社だとその会社のブランド前提で自分が評価されるから。
だからこそ市場価値を高めるために最もインパクトがあるのが転職です。
その中で今後の働き方としてプロジェクトベースで働く方法が増えてくると言われてます。
プロジェクトベースで働くとは、プロジェクトごとにどのような成果を出せたかが問われます。
そのプロジェクトでどんなインパクトを残せたかによって、給料も決まる。
だからこそ転職もプロジェクトごとにするということも可能性としてはあるということです。
もちろん、同じ会社で成果を出してポジションを上げるのも一つですが、選択肢の一つとして転職を繰り返すという方法も増えていくようです。
その際の考え方として「自分がその期間で何を成し遂げたいか」を決めることと村上さんは言ってます。
そして自分がどのように社会に貢献できるかを考えることです。
一定の期間内に成し遂げたいことと何ができるか、貢献できるかの2軸で考えることが自分の市場価値を上げるための手段に繋がると思います。
転職に対しての新しい考え方
自分を「タグ付け」する
SNSを利用する方にはお馴染みですが、タグをつけることでウェブ上で探してもらいやすくすることができます。
その際に#(ハッシュタグ)とキーワードを載せてます。
このタグ付けを自分自身にも行うことで自分ができることをアピールすることが出来ます。
例えば自分が「法人営業」の仕事をしていて、さらにクライアントは中小企業で主な営業方法は「インサイドセールス」で「テレアポスキル」があるとします。
そうすると#法人営業、#中小企業相手、#インサイドセールス、#テレアポスキル とタグ付けできます。
さらに言うとこの1年でチームの売上を2倍にしたと言う実績があれば、その経験も強力なタグです。
そして更に言うとこれにコンピテンシーもあるといいようです。
コンピテンシーとは強みのことで、ハイパフォーマーに共通して見られる行動特性のことだそうです。
コミュニケーション能力、誠実性、主体性、チームワークなどがこれにあたり、このタグを組み合わせることで転職活動のアピールになると本書で書かれてます。
タグを発信することで、企業側も何ができる人なのかが明確になるのでミスマッチを防ぐことが出来ます。
タグをもとに発信することで自分自身をSEOを意識しながら発信することができ、自分に有益な情報も得やすくなります。
だからこそ自分は何ができるか、職務経歴書を書いて自分の棚卸しをしてタグの洗い出しをするのが良さそうです。
僕も最近職務経歴書を初めて書きましたが、今まで何をしてきたかを考えるきっかけになりましたし、最初は案外出てこなくて大変でした。
でもこれを繰り返すことが大事だとも思うので、定期的に職務経歴書の手直しをしようと思います。
スキル思考とポジション思考
転職をするためにこの資格を取ると有利だと、やみくもにやる気のみを原動力に勉強する人がいます。
この行動をする人は、自分が本当に何をしたいのか、どうなりたいかが明確でなく、結果的に自分の市場価値も上がりません。
こういったことが起きるのは日本の人材の取り方に問題があると村上さんは言います。
それが総合職での採用です。
総合職はざっくり言うと「どんな仕事でも指示されたことを行う人」であり、求められてるスキルはとくにありません。
強いて挙げるなら課題や仕事に対してやり遂げる能力です。
要するに自分の何が評価されるのかが曖昧なのです。
だからこそ、人はスキル習得にはしってしまいます。
僕も実際にそうで、なんとなくこれから英語だなと思い、英語の勉強をしていた時期もありました。
この考え方をスキル思考といい、年功序列が当たり前の今では崩壊寸前の考え方では生き残る術として必要な思考法です。
ただ、スキル思考では今後、豊かにクラスのは難しいとされてます。
それはジョブ型雇用が主流になってきているからです。
ジョブ型雇用とはこういった意味です。
企業が人材を採用する際に職務、勤務地、時間などの条件を明確に決めて雇用契約を結び、雇用された側はその契約の範囲内のみで働くという雇用システム。 そのため別部署への異動や他拠点への移動、転勤はなく、昇進や降格も基本的にはない。
引用元:リクナビNEXTジャーナル
ジョブ型が増えれば、今後自分がどのポジションで生きるのがいいかを考えるポジション思考が重要です。
自分がどうなるのが幸せなのかを考え、じゃあそのために目指すポジションは、求める役割を明確にすることです。
ここで間違ってはいけないのがポジション=役割ではないということです。
例えば営業職であれば、新規営業なのか既存営業なのかなど仕事によって与えられるタスクは違います。
そのタスク内でどれだけの成果を果たすかを考え、更に自分の強みを伸ばしていくことが求められていくと言われてます。
同じところで働けば、年数に応じて役職が上がるわけじゃなということです。
終わりに
僕は転職0.0のサラリーマンですが、この本を読んで自分の頭の中で考えていたことが言語化されました。
転職するのは今の会社で上手くいかなかったからと言われることもありますが、それはその会社にいる人から見た経験則だけで判断したまやかしです。
そもそも同じ会社の中で、上手く行ってる人で転職をバンバンして成功したって人は少ないので、それは転職しないほうがいいというのは経験からの話としては当たり前です。
もちろん僕が同じ立場になって社歴が僕より短い人にアドバイスするとしたら同じことを言うでしょう。
でも転職を自分が良くなるための手段と捉えることで、僕の視界は明るくなりました。
もっとポジティブに転職と向き合い、自分にとっての幸せが何なのかを考えて今の仕事もそうですし、僕がやりたいことも真剣に考えたいなと思いました。
そんなこんなで今年から副業にチャレンジして、試行錯誤しながらやってますが、少しずつ収益化してます。
今までではこんなことはなかったので、転職からだとハードルが高いなと思う方は副業から始めてみるのが僕はオススメです。
自分の好きなこと、得意なことに向き合うきっかけになります。
そんな感じでいきましょう。
にほんブログ村